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タブカラーシャツという選択肢

ビジネスシーンにおけるシャツの襟型に於いて、最近では多くの方がワイドスプレッドカラー(ホリゾンタルも含む)かボタンダウンを選択されているように思います。

それは通勤電車で見かける多くの方がどちらかの襟型を着用されておられることからも見てとれますが、恐らく襟型を特に意識していないで購入されている方が殆どではないかと思われますので、世間で広く販売されている襟型がこの2型なのでは無いかと推測されます。

この2型が近年ここまで市民権を得たのには、持論がありまして、それは「ノーネクタイに対応しやすい襟型だから」。

昨今のクールビズにより、一年のおよそ半分はネクタイを着用する必要が無くなりました。そうなりますとネクタイを外して一番上のボタンを開けた時に、シャツの襟が綺麗に立ち上がって見え、首に沿っていることがとても重要となります。

まさに弊社のオンラインシャツもこの点に注力しているのですが、そうなるとワイドスプレッドカラーかボタンダウンという選択肢になり得ることは容易に想像できます。

しかし今回はこの流れとは真逆の、ネクタイを締めることありきのシャツ、タブカラーシャツについてのお話をしたいと思います。

タブカラーとは左右の羽根襟を小さなタブと言われる共生地についたボタンをループで留めて着用するシャツです(タブの先端についたスナップで留めるタイプもあります)。

1980年代半ばから後半にかけて人気のあった襟型で、タブを留める分、襟の開きが小さくなる為、ネクタイのノットはコンパクトに結び、タブで持ち上げることで立体的なVゾーンを演出することができます。

1972年に公開されたゴッドファーザーのPART3(これは90年公開ですが)でアルパチーノが着用していたピンホールカラーと似たようなイメージというと想像して頂きやすいのではないでしょうか。

昨今、洋服が好きな方々に、このタブカラーシャツの人気が高くなってきています。要因としましては、ドレスクロージングの世界においてクラシック回帰が進み、よりエレガントな路線にシフトしていく中で、モダンクラシックなスタイリングとの相性の良さが挙げられます。

決して悪目立ちはしないのですが、圧倒的に着用している方が少ないこともあり、個性を出したい時には最適なシャツと言え、前述した理由で年配の方には懐かしく思えるのか、50歳台以上の方の受けも良いように思います。

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また、かっちりとした見た目、印象を与えることができる点も見逃せません。スタイリングとしては何も難しくないのですが、あまりにもボリュームのある素材のネクタイとはタイスペースが狭い分、相性が良くありません。

あとはいつものスタイリングに取り入れて頂くだけで、一気に新鮮な見え方をするでしょう。ただし、特殊な襟型とも言えますので、店頭で多くの生地バリエーションを揃えていることは早々ありません。

そういった時にはパターンオーダーがおすすめです。ではオーダーする際にどのような生地が良いかと言うと、先ずは白のピンポイントオックスフォードをおすすめします。

平織り特有のスポーティーさがありながら、番手が細かいことによる適度なドレッシーさもあり、梳毛のスーツから紡毛のジャケットまで非常に広く対応できます。

これが太番手を使用したオックスフォードならば梳毛のスーツにスポーティー過ぎてしまい、反対にロイヤルオックスフォードなら、フランネルやツイードのジャケットには物足りなさを感じてしまいます。

スポーティーな装いにはシャンブレーは如何でしょうか。まさに紡毛素材のジャケットにウールタイ、ニットをプラスしたようなカントリージェントルマンな装いには最適です。

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ドレッシーさを出したいならば、クレリックシャツもおすすめです。身頃は細いピッチのブルーストライプ、ホワイトの襟とカフスがやはり定番で安心感があります。

タブカラーはそのコンパクトな襟型から、Vゾーンの開きの少ないダブルブレステッドのスーツととても相性が良いので、少し太めのストライプ幅(2.5cm以上の)のダブル

ブレステッドのスーツにシャツはクレリックのタブカラー、大判のペイズリーのプリントタイなどを合わせる正に80年台なスタイリングも、逆に今新鮮に映ります。

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(2018年1月のイタリアのショールームで撮影したスタイリング)

シャツは出自が下着であることからもわかるように、本来は人前でシャツ一枚の姿になることを想定したアイテムではありません。

特にビジネスウェアに於いては脇役の要素が強いと思います。ですが、ビジネス時のスタイリングの印象を大きく左右し、着こなしのルールがある中で洋服を楽しむ上では非常に重要なアイテムです。

華美な印象では無く、控えめに自己主張もできるタブカラーシャツ。イタルスタイルシャツのオンラインストアでは定番のツイルの白無地から、ストライプ、クレリックまで幅広く展開をしております。

ワイドスプレットカラーやボタンダウンはワードローブに既に多くお持ちな方、ビジネスシーンに取り入れてみてはいかがでしょうか。

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