襟元をキリリと締めるならタブカラーシャツにお任せあれ。
オフィスのカジュアル化やリモートワークなど働き方が変わっていきています。その影響は働く服装にも表れていて、ノーネクタイはもちろんのこと、シャツや靴も楽チンで機能性の高いものが選ばれるようになってきています。
しかしその反動で、大切な商談や打ち合わせに臨むときには渾身のスーツに身を固めるという、“ふり幅の広い”傾向が見られるようです。
そんな状況で印象に残る襟元を演出したいのであれば、タブカラーをチョイスするという提案はいかがでしょう。すでに取り入れているという方も増えているようですが、その望ましいコーディネイトについて整理してみました。
タブカラーシャツとは
襟のカタチはレギュラーカラーよりも少し長く、襟芯(カラーステイ)は入っていません。そして最大の特徴は、両襟をタブ(ひも状の留め具)で留める仕様になっていることです。
ネクタイを締めたあとに、その下にタブを通して留め具で固定します。ネクタイが首元から持ち上がった状態になり、立体的な印象が生まれます。留め具の仕様はボタンまたはスナップボタンが一般的です。
通常ネクタイをエレガントに締めるコツは、タイバーなどを使って持ち上げ立体的に見せることです。しかしタブカラーシャツやカラーピンなどを使って襟元を留めるピンホールシャツを着用すれば、より簡便に同じような印象を作ることが可能です。
そしてジャケパンよりはスーツとのコーディネイトが多いことからリッチな印象も備えています。そのためでしょうか、80年代あたりバブル期の象徴とも言える“ソフトスーツ”とともに愛用された歴史があります。
タブカラーシャツとダブルブレストスーツのマリアージュ
上述のとおりタブカラーシャツにはエレガントでリッチな印象があります。襟元がキリリと締まることで清潔感も増幅します。
そのためスーツにくらべてカジュアルな印象の強いジャケパンとのコーディネイトは浮いた印象を与えてしまう心配があります。
そしてスーツスタイルの中でもよりエレガントな印象の強い“ダブル”のスーツとの相性がすこぶるイイのです。
スーツ柄はクラシックなストライプ、少し遊びのあるウインドペインやグレンチェック、もちろん無地でも問題ありません。シックな色味のダブルスーツを選んでください。
望ましいネクタイ選び
ネクタイ選びの前に結び方です。これはプレーンノットに限ります。小さい結び方でないとタブを使って持ち上げることが出来ないからです。
そしてキリリと結ぶ、小さく結ぶには芯の薄いネクタイが望ましいことは言うまでもありません。織り素材ではなく滑りのいい素材を選んでください。
ストライプ系のカジュアルなものやキャラクターがプリントされたデザインは避けましょう。タブカラーシャツのもつコンセプトとのズレを感じます。
無地(ソリッドタイ)がもっとも無難ですが、小紋柄やペイズリーなども適度な色気を襟元に与えてくれるのでぜひトライしてみてください。
タブカラーシャツのバリエーション
白やサックスブルーなどの無地だけではありません。さらに差別化を図るならクレリックやラウンドカラーさらにラウンドカラー+クレリックも揃えておきたいところです。
注意したいのは、あまりコントラストの強い色使いは避けたいという点です。襟と袖口は白が一般的ですから、身ごろにはブルー系または淡いピンク系がネクタイとの相性を考慮するとお勧めの色合わせです。
チェック柄や濃い色のクレリックシャツは単体では見栄えがするのですが、ネクタイやスーツ合わせて苦戦しそうです。襟のデザインに主張があるので、全体を見合わせてチョイスするのが肝心です。
タブカラーシャツを使ったコーディネイト
上述ではダブルスーツとの相性の良さについて解説しました。しかし普段使いのスーツにも大いに使いところです。
例えば地味な印象になりやすいチャコールグレーのシングルスーツ、ラウンドカラーのクレリック、色は薄めのピンクを合わせてみましょう。
襟先が丸いためそれだけで優しい印象がありますが、さらにスーツの胸元から薄いピンクがのぞくことで華やぐ印象があります。
甘く流れないように足元は黒のキャップトゥや濃茶のUチップで引き締めるようにします。
ネイビーのシングルスーツならブルー系ストライプのクレリックタイプをチョイスしましょう。シャツに負けない花柄やペイズリー柄のネクタイで華やかさを加えます。そして足元は黒のプレーントゥで引き締めます。
どちらのコーデもベルトではなく、サスペンダーをチョイスするのもアリです。気分は映画“華麗なるギャツビー”です。
まとめ
タブカラーはボタンダウン同様、個性の強いシャツに分類されると思います。そのため1~2枚揃えておくと活躍の場が広がります。
ポイントにしたいのは“エレガント”に装うことです。そのためカジュアルなイメージのあるネクタイや靴もローファなどとのコーデは避けましょう。キリリと結び、ふんわりと立体的に。大人にこそ相応しい、余裕のあるスーツスタイルが楽しめます。
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