“ぬけ感”作りはデニムシャツにお任せ
ここ数年、コーディネイトに多く見かけるようになったのが“ぬけ感”と“こなれ感”ではないでしょうか。ドレス寄りのコーデにカジュアルアイテムを加えることで“ぬけ感”が生まれ、カジュアル寄りのコーディネートにひと手間加えることで“こなれ感”を出すことができるのではないでしょうか。
つまり共通するのは、決めすぎてはNGだということになります。
ではメンズファッション、特にビジネスシーンにおけるコーデにおいて、どのようにすれば“ぬけ感”が出せるのでしょう。それは今回取り上げる“デニムシャツ”に答えが見つかりそうです。
素材の違いについて理解しましょう。
一口にデニムシャツと言っても似たような素材感のモノが、3種類あります。どれも藍染されたものが多いため、違いを理解しないままという方も多いのではないでしょうか。
違いについて以下のとおり整理しておきます。
ダンガリーシャツ
経糸に白系、緯糸に色味のあるものを用い綾織で構成された“ダンガリー”と呼ばれる布で作られたシャツのことで、経糸の色が前面に見えるので、淡い色が浮き出るように感じます。
シャンブレーシャツ
ダンガリーとは反対で、縦糸に色味そして横糸に白系のものを用い平織で構成された布で作られたシャツのことです。縦横の糸の色味が均等に出て、ツルっとした印象があります。
デニムシャツ
デニムつまりジーンズと同じ織り方で綾織なのですが、経糸に色味そして緯糸に白系のものを使っているので、経糸の色味が前面に主張されます。経年による色落ちも楽しめるという点もジーンズと同じです。
使う糸の太さによって違いはありますが、生地の厚さはデニム>ダンガリー>シャンブレーという順番が一般的です。また両胸にポケットが施されるものやウェスタンディテールを持つものが多く、これまではワークウェアに分類されることが多かったと言えます。
“ぬけ感”が生まれた背景とは。
しかし、ワークウェアやミリタリーウェアをドレスファッションに融合させることが新しい着こなしとして提唱されるようになってきました。雑誌やWebで紹介されファッションスナップを見ると、以下のようなコーデを多く見かけるようになってきました。
・ツイードジャケットにデニムシャツを合わせ、タータンチェックのウールタイを結ぶ。
・スーツの上にジャングルモチーフのアウターを羽織る。
・スーツスタイルに編み上げのカントリーブーツを履く。
こうした雰囲気は “ぬけ感”と表現されて、さらに着こなしが身に着くようになると“こなれ感”があると評価が上がるのです。これまでの価値観とは異り、“キメすぎない”という感覚。旧来とはちょっと違うアプローチのコーディネイトが支持されるようになっています。
無いものは作ればいい。
しかし、在るものだけを組み合わるだけでなく、テイストは“ぬけ感”を押さえながら新しいものを作ってしまおうという動きが出てきました。それが今回紹介するデニムシャツです。
ディテールはドレスシャツの基本を守りながら、素材をデニム地にするという方向性です。襟のカタチはイタリアメイドのシャツに多く見られるホリゾンタルになっています。
デニム生地と言っても、薄いものを使っているのでワークウェアのような粗さは感じません。適度にプレスをすることで表面の凸凹も抑えることが可能です。遠目だと、濃い色のネイビーシャツに見えます。しかし、全体の雰囲気はいい意味での脱力感があります。つまり“ぬけ感”は健在ということです。
さらにタイドアップで楽しもう。
“ぬけ感”を味わうにはノータイがいいでしょう。ホリゾンタルの襟はノータイであっても適度な緊張感があるので、だらしなく映る心配はありません。
クールビズが浸透した夏場の装いだけでなく、シーズンに捉われずに楽しむことができます。もちろん週末のお出かけや、仕事終わりの会食などシーンを選ばず使えます。
ただし相性という点ではスーツよりもジャケパンとのコーディネートがいいでしょう。ネクタイを結ぶにしても、ややカジュアルな遊びのあるもので個性を出してください。
靴やベルトには気を遣いたい。
ドレス顔のデニムシャツが一枚あれば、簡単に“ぬけ感”を演出することができます。しかし“ぬけ感”作りに大切なのは全体のバランスです。バランスを保つために大切にしたいのが靴やベルト、そして時計といったパーツになります。
特に前者のアイテムは重要です。ローファがいいのですが紐靴なら外羽根式のものにしてください。トゥデザインは丸いものがお勧めです。メッシュやステッチの入ったベルトで遊びを入れましょう。
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